Love Like Vanilla Beans セ ン セ イ ト 、 リ セ

Intermission 7



「・・・・・・車の前で何やってんだ。 市谷」
「センセイを待ってたの。 今日、せっかく登校日だったのに会えなかったから」
「・・・・・・。 どんくらい待ってたんだ。 唇が紫色だぞ」
「うーん、かれこれ、一時間くらい?」
「アホかお前! この真冬に。 風邪引くだろ」
「いいのー。 センセイには関係ないじゃん」
「・・・・・・どの口がそんなこと言うんだ」
「あだだだだっ。 センセイだって関係ないって言ったー!」
「記憶にない」
「ひどっ」
「・・・全く、耳もこんなに冷やしやがって」
「いったいもうー。 センセイはすぐ耳ひっぱるー。 暴力教師!」
「・・・」
「寒いと痛さ三倍だねー。 ・・・ねーセンセイ。 私が寝こんだら、センセイもちょっとは心配してくれる?」
「心配っていうか、お前が学校で倒れたら俺が送ってやらなきゃいけないからな。 面倒だ」
「でも、私、もうすぐ卒業だから、センセイに迷惑かけることもなくなるんだな」
「・・・・・・」
「そしたら会えなくなるね」
「そうだな」
「センセイ、大好き」
「・・・・・・お前は生徒だ。 俺にとっては」
「分かってるよーう。 あの人と幸せになってね」
「・・・・・・。 泣いてるのか」
「・・・泣いてるわけないじゃん。 ぐすっずびーーーーーっ」
「思いっきり泣いてんじゃないか」
「目から汁が出てんの!」
「汁言うな。 お前のオリジナリティもあんまり成長してないな。 ほれ、ハンカチだ」
「ありがとー。 くんくん・・・鼻がつまっててにおいが良く分かんない」
「変態じみたことをするな! ハンカチ返せ」
「あっ! 洗って返そうと見せかけてそのままもらっちゃおうと思ったのに」
「油断も隙もない」
「あ。 ねーセンセイ。 大学行ったら私、好きな人作るね。 今まで迷惑ばっかりかけてごめんなさい」
「市谷」
「なになに? また鼻水出てる?」
「出てない」
「? じゃあ、そろそろ行くね。 あーさぶっ。 ばいばい、センセイ」
「・・・じゃあな。 ・・・・・・・・」

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