Love Like Vanilla Beans セ ン セ イ ト 、 リ セ

Intermission 8



卒業式から一ヶ月。



ピンポーン

「はいはーい。 誰ですかー?」
『俺だ』
「うぉ、センセイ!? どしたの?」
『お前の父上殿に挨拶に来た』
「えっ、ちょっと待って! 今開けるね?」

ガチャリ

「本当に本物? 夢じゃないよね?」
「何なら、耳でもひっぱってやろうか」
「うん。 ・・・やっぱり痛っ! 夢じゃないんだ。 ほわわー」
「で、いらっしゃるのか、あの派手男は」
「奥にいるよ。 ────はっ、まさかセンセイ、『お嬢さんをください』 をやるつもりじゃ・・・?」
「・・・・・・非常に不本意だが、いたし方あるまい」
「まじで! ああっ、それならちゃぶ台用意しとくんだった!
 お父さんなら華麗にひっくり返してくれると思うの! 見たいよねそれ!」
「・・・そんなにちゃぶ台返しが大事か。 なら俺は今日は帰らせてもらう」
「や、冗談ですっ」
「お前がちゃぶ台買っても、ここには二度と来ないがな。 永久にさよならだ。 じゃあな」
「言ってみただけだよ! 今日エイプリルフールだからー! お願い上がってくださいいぃい!」
「分かったから腕をはなせ。 あと、誤解するなよ。 結婚とかそういうんじゃないからな。
 まずは始めの一歩からだ」
「付き合う許可をもらうってこと?」
「そうだ」
「なるほど! ね、それにしても何で今日? 『嘘でした』 ってオチじゃないよね」
「今日から、お前は身分上正式に高校生じゃなくなる。 だからだ」
「そっか・・・なるほど」
「待たせて、悪かったな」
「っ・・・〜〜〜っ」
「だから、泣くな」
「・・・うん。 ぐすっずずずっ」

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